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北海道へ 「地方移住」したいかも。

二地域居住の先輩に聞く

「僕が住みたい」 親子でつくった二拠点という暮らし

落合 絵美さん(40代)

東京でPR会社を経営し、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部の運営・広報にも中心的に携わる落合絵美さんは、5歳の息子の美生くんとパートナーさんとともに、東京と北海道・室蘭を行き来する二地域居住をしています。落合さん自身の生活の比率は東京が3分の1、室蘭が3分の2で、東京の拠点も残して住民票も東京に置いていますが、パートナーさんと美生くんは室蘭中心に生活し、住民票も室蘭に移しています。その出発点となったのは、「仕事も子育てもどちらも大切にしたい」という思いから始まった親子ワーケーションでした。

親子ワーケーションとの出会い

息子さんは2020年6月生まれで、ちょうどコロナ禍と重なる時期に誕生しました。パートナーさんとともに働く場所に縛られない環境にあったためにワーケーションに行くようになるも、旅先ではどちらかが仕事をし、どちらかが子どもを見る状況が続いていました。経営者同士だからこそ、相手が子どもを見ている間に自分が仕事をすることに、どこか気持ちの引っかかりがあったそうです。

そんな中で知ったのが、「保育園留学®️」です。日中は子どもを保育園に預け、大人は仕事に集中できるうえ、子どもは自然豊かな環境でその土地ならではの体験ができます。この仕組みは、落合さん一家が抱えていた葛藤を解消するものでした。

「保育園留学®️」施設の予約が取りづらい状況の中、落合さんは自ら複数の自治体に親子ワーケーションの受入を提案し、福島県西会津町で最初の親子ワーケーションを行いました。その後も各地を巡り、年間の約4分の1を地方で過ごす生活が2年間続きました。

場所が変わるたびに生活がリセットされ、「短いスパンで何度も新年を迎えるような感覚」で、気持ちを新たに仕事や日々の暮らしに向き合うことができました。

親子ワーケーションがもたらした気づきと問い

親子ワーケーションの中で、最も大きな変化を見せたのは息子さんでした。田舎の自然の中、雑草が生い茂る草むらで花を摘もうとしたとき、美生くんが「抜いていいの?」と尋ねました。その一言から、都会の生活は子どもには自由が少なく、常に許可を求める環境の中で生きてきたことに気づかされました。同時に、子どもが自分で考え、自分で選び、自由にのびのびと行動できる環境を整えることの大切さを実感するきっかけにもなったのです。

当初は虫に触れることもできなかった美生くんでしたが、各地での体験を重ねるうちに生き物に興味を持つようになり、現在はダンゴムシを飼うまでになりました。自然は「怖いもの」から「関わる対象」へと変化しました。

こうした小さな変化が積み重なる中で、家族の中にひとつの問いが芽生え始めます。――この子にとって、本当にのびのびと過ごせる場所はどこなのだろうか。

落合さんは、子どもを一人の独立した人間として尊重しています。「この子のために」と大人が決めるのではなく、本人に選ばせる方針です。3歳頃から「お父さんもお母さんもワーケーションできるから、暮らしたい土地があったら言ってくれれば引っ越すからね」と伝え続けてきました。

室蘭との出会い、そして「住みたい」という決断

そんな思いが巡り始めていた頃、北海道の室蘭市と出会います。きっかけは、パートナーの知人が市役所に勤めており、ワーケーション誘致を担当していたことでした。「ついでに保育園も探してもらえませんか?」そんな少しのわがままから話が動き始めます。知人のお子さんが通っている幼稚園を紹介してもらい、先生方も「ぜひどうぞ」と温かく迎えてくださることに。こうして、室蘭での滞在が決まりました。偶然のようでいて、どこか必然のような出会いでした。

美生くんは、東京の保育園では「決まった時間に決まったことができない」と注意されることもありました。自分の世界観がはっきりしていて、やりたいことに深く集中するタイプでした。しかし室蘭の幼稚園では、「自分のやりたいことに集中できるのは素晴らしいことですよ」と先生から声をかけてもらい、子どもの見え方が変わりました。のびのびと過ごすようになり、先生は「もっとやっていいよ」と背中を押してくれる存在となりました。「先生が怖い」から「先生が大好き」へと、人との関わり方も大きく変わりました。

そして室蘭で、美生くんは初めて「大親友」と呼べる友だちを得ました。東京では深い関係を築かなかった息子が、自然な形で友だちとつながり、深い関係を築くことができたのです。この経験は、二地域居住を考える大きなきっかけになりました。

当初、美生くんは「東京が好き」と答えていましたが、室蘭への2回目の滞在後、はっきりと「僕は室蘭に住みたい」と言いました。2024年6月のことです。家族は約束通り行動し、

2025年1月、正式に二地域居住が実現しました。

二拠点という選択がもたらす豊かさ

落合さん自身は完全移住ではなく、二地域居住を続けています。理由の一つは東京での仕事との物理的なつながりを維持する必要があったこと、もう一つは、将来子どもの気持ちが変わったときに備え、「帰れる場所」を残しておきたいという考えがあったからです。

何より、「一つの世界しか知らないのはもったいない」という思いがあります。東京にも良さがあり、室蘭にも良さがある。両方を知り、比較し、自分で選び続けられることこそが豊かさだと考えています。実際、東京を訪れるたびに美生くんは「電気がいっぱいあるね」「ビルが高いね」と言って喜び、そのうえで「室蘭には海があって山がある」と自然の魅力を再確認しています。

当初は母親が二拠点居住をすることで美生くんが寂しがらないかと心配していた落合さん。しかし美生くんが「僕が自分で選んだことだから大丈夫」と話したことで、落合さんも安心して東京に出張できるようになりました。その言葉からは、美生くんが自分の選択に誇りと責任を持ち、大きく成長している様子がうかがえます。

都市と自然が心地よく寄り添う室蘭の魅力

室蘭は「鉄の街」として発展してきた都市で、病院やスーパー、教育施設、習い事など生活機能が充実していているため、日常生活は市内で完結します。一方で、車で少し走れば海や山、登別や洞爺湖といった北海道らしい景色が広がります。都市過ぎ
ず、田舎過ぎない。機能性と自然の両方が身近にあることが、室蘭の大きな魅力です。

新千歳空港へのアクセスや航空便の多さもあり、東京との往復も想像していたほど不便ではありません。仕事と暮らしの両立が可能な環境が、二地域居住を支えています。落合さん自身も、地方に拠点を持つことで新たな仕事の広がりを感じています。

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