北海道型ワーケーション推進事業の一環として、9月9日(月)~13日(金)、北海道・富良野で4泊5日のモニターツアーが開催されました。今回はアドバイザー2名と首都圏の企業社員4名、合計6名が参加。豊かな自然と文化が広がる富良野市・中富良野町・美瑛町にて、参加者は「ワーケーション」の魅力を感じ、新しい働き方やチーム力向上を目指す時間を過ごしました。環境やSDGsに関連した活動とアウトドア体験を通じ、特にチームコミュニケーションに課題を抱える企業に向けた自己研鑽と絆強化のプランです。
Day 1 – チーム連携を深める演劇ワークショップ
初日には、富良野演劇工房で「コミュニケーションワークショップ」を実施。演劇を活用したゲームやワークを通じて「伝える」と「伝わる」の違いを体感し、チームメンバーへの配慮や共感を深める方法を学びました。この体験を通して、参加者同士の信頼関係が強まり、チーム内での絆が一層深まる充実した時間となりました。
Day 2 – 地元の文化体験と自然とふれあうアクティビティ
午前は「Café Lounge EVELSA」でリモートワーク体験。木製家具と温かみのあるデザインに囲まれた快適な空間で、Wi-Fiや電源も完備され、リラックスしつつも集中して作業ができる環境が整っていました。午後は「富良野チーズ工房」を訪れ、地元の食材で作られたチーズやピザを堪能。続いて「富良野自然塾」にて、裸足で大地に触れる体験や「地球の道」を歩き、46億年の地球の歴史をたどりながら、自然環境の重要性について再認識する貴重な時間を過ごしました。最後にはゼロカーボントラベラーの植樹体験を行い、持続可能な活動に参加しました。
Day 3 – 自治体との交流とサイクリングで自然を満喫
3日目は中富良野町の「本幸ラボ」にて、富良野エリアの担当者と意見交換セッションを実施。ワーケーションが地域経済に与える影響や、地元との連携方法について活発な意見交換が行われました。午後はサイクリングを楽しみながら「ファーム富田」を訪問。広大な敷地には季節ごとにさまざまな花々が咲き誇り、秋には鮮やかな色彩の花畑が広がります。敷地内で生産されるラベンダーを使用した商品やソフトクリームも楽しめ、心身ともにリフレッシュできるひとときを満喫しました。
Day 4 – 美瑛の大自然に癒される時間と温泉でリラックス
4日目には「まちなかオフィス」でリモートワーク。個室も完備されたオフィスで集中して仕事に取り組み、午後は美瑛の「パッチワークの丘」をゆっくりウォーキングし、十勝岳連峰を望む牧草地や木立を通り抜けながら雄大な景色を楽しみました。夜は「美瑛白金温泉 ホテルパークヒルズ」に宿泊。広々とした露天風呂と天然温泉で、体を癒す贅沢な時間を過ごしました。
Day 5 – 丘のまちでのリモートワーク
最終日は美瑛の中心部にある「丘のまち交流館bi.yell(ビ・エール)」にてリモートワークを実施。リノベーションされた複合施設で、地元の風景を眺めながら仕事に集中できる静かな環境です。電源やWi-Fiも完備されており、参加者は穏やかな時間の中で作業に取り組むことができました。
研修会を通じて得られた意見と今後の改善点
今回のモニターツアーを通じ、参加者から多くのフィードバックを得られました。個々のコンテンツに関する意見のほか、特にクリエイティブ・IT業界の利用者にとってはWi-Fi速度が重要であることが改めて確認され、また週末の移動や長期滞在のプラン設計についての要望がありました。さらに、アドバイザーから仕事と観光を半日ずつ使い分けることの重要性や、地域ならではの観光コンテンツや地元住民との交流への期待も寄せられ、今後のプラン強化に向けた貴重な示唆を得ることができました。
アドバイザーからのご意見(一部抜粋)
山田 瑞希 氏:ワーケーション実践者/インバウンド・地域PR戦略 コーディネーター
北海道出身
ラジオパーソナリティ、広告代理店勤務を経てWE B会社にて
約10年北海道インバウンドプロモーションに従事。
企業・自治体等と共に集客戦略の立案および広告、
約20万のフォロワーを抱えるインバウンド向けメディアの運用責任者を担当。
2019年より個人での事業として新規事業戦略アドバイザーやS N Sセミナー講師・
北海道移住関連番組・イベントM Cとしての活動を開始。
2年間の社会人大学院生を終えた2024年春に独立し、現在はインバウンド・
海外事業中心のプランナーとしてPR企画立案・海外メディアとのイベント催行等を中心に活動。
(主なターゲット国はタイ)
【スケジューリングに関して】
モニター企業の業種によって要望は異なるものの、特にIT企業などクライアントワークを行う企業を誘致する際には、オンラインで業務を行う時間が短くなることが大きなデメリットとなります。そのため、移動時間は業務時間外に集中させることや、ワークに集中できる時間を1日4時間以上確保することが求められます。さらに、週の前半に集中してワークを行い、後半は研修やアクティビティに参加することで不在時間を作るといったスケジュール調整が、企業のニーズに寄り添ったものになると感じました。
【地元との交流について】
アクティビティに参加することも重要ですが、町の人々の暮らしや生の声を聞き、感じることも同様に価値があります。モニターツアーの初めに、すでにワーケーションを行っている人や長期滞在者がいる環境での作業時間を設けることで、この地域がワーケーションに適しているという印象を強く持ってもらうことができます。また、滞在の2日目や3日目に地元の飲食店での交流イベントを企画すると、残りの滞在期間全体の印象がよりポジティブになると感じました。